【10月20日 AFP】オランダ政府は19日、1940年代後半のインドネシア独立戦争の際、オランダ軍に処刑されたインドネシア人男性11人の子どもらに一律5000ユーロ(約60万円)の賠償金を支払うと発表した。

 オランダの裁判所は今年、1946~47年にインドネシア南部スラウェシ(Sulawesi)島で殺害された現地男性11人の妻子に賠償金を支払うよう政府に命じていた。

 宗主国だったオランダの軍隊がインドネシア独立戦争中に犯したこの行為について、政府は時効によって消滅していると主張したが、裁判所はこの主張を認めなかった。

 オランダのステフ・ブロック(Stef Blok)外相とアンク・バイレフェルト(Ank Bijleveld)国防相によると、賠償金は一律5000ユーロだという。

 ただし、賠償を請求する側は、父親が処刑されたことを示す証拠や親子関係を証明する書類の提出など、一定の基準を満たす必要がある。

 オランダの植民地軍がいわゆる浄化作戦の中で、インドネシアの独立闘士を一掃するために行った虐殺をめぐっては、他の遺族らも賠償を求めており、オランダの裁判所が審理を進めている。

 数百年間にわたってオランダの植民地だったインドネシアは、第2次世界大戦(World War II)の日本軍による短い占領期間を経て、1945年8月17日に独立を宣言。再植民地化に乗り出したオランダ軍との間でインドネシア独立戦争が起きた。

 植民地時代にセレベス(Celebes)島と呼ばれていたスラウェシ島では、主に1946年12月から翌47年4月にかけて、少なくとも860人の男性が銃殺隊によって処刑された。(c)AFP