【10月20日 AFP】交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック(Facebook)は19日、機械学習によって英語を介さずに100言語を翻訳可能な初のソフトウエアを公開した。

 このオープンソースの人工知能(AI)ソフトの狙いは、世界20億人超のフェイスブックユーザーに対し、160言語のコンテンツのよりよい形での提供を支援することだ。

 フェイスブックでリサーチ・アシスタントを務めるアンジェラ・ファン(Angela Fan)氏は、新ソフトは英語を介さずに翻訳するため、他のソフトよりも正確だとしている。

 ファン氏はブログへの投稿で、「例えば中国語からフランス語に翻訳する場合、英語中心の多言語翻訳ソフトの多くは中国語から英語、英語からフランス語でトレーニングする。英語のトレーニングデータが最も入手しやすいからだ」「当社のソフトは、なるべく意味が損なわれないように中国語からフランス語のデータで直接トレーニングしているので、よく利用されている機械翻訳の指標『BLEUスコア』で、英語中心のソフトより10ポイント優れている」と説明している。

 フェイスブックは、自社のニュースフィードですでに1日平均200億回の翻訳をしており、新ソフトでよりよい翻訳を提供できるようになると期待している。

 ファン氏は、「機械翻訳で言語の壁を壊すことは、人々を一つにし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての信頼できる情報を伝え、有害なコンテンツから人々を守る上で、最も重要な方法の一つだ」と述べた。(c)AFP