【10月19日 AFP】オランダのマルク・ルッテ(Mark Rutte)首相は18日、国内で新型コロナウイルス感染拡大防止の措置が強化された中、国王夫妻が休暇を過ごすためギリシャに行くのを止められなかったのは「誤った判断」だったと認めた。

 ウィレム・アレクサンダー国王(King Willem-Alexander)とマキシマ王妃(Queen Maxima)はギリシャに飛んだ翌日の17日、「世論の激しい反応」を理解したとして休暇を切り上げた。

 この件で批判されたルッテ首相は18日、議会に宛てた書簡で、「国王がギリシャに滞在し休暇を取る意向だと認識していた。私は誤った判断を下した」と述べた。

 ルッテ首相は、国王の私的な旅行について公益を考慮した範囲でプライバシーに関する規則が適用されるが、この件について国王に注意を促すのは自分の責務だったと認めた。

 ルッテ首相は、「予定されていた休暇は(以前の)規則には適合していたが、感染拡大を受けて厳格化された措置には適合していないことに気付くのが遅れた」と述べた。

 政府は13日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止策として、すべてのバー、レストラン、大麻を提供する「コーヒーショップ」に4週間の休業を命じていた。

 オランダは欧州でも特に新型コロナウイルス新規感染者が多く、18日には流行発生後最多の8184人を記録するなど、困難に直面している。

 政府は最近、王室予算の見直しを命じたが、ウィレム・アレクサンダー国王とは連絡がつかないと批判されていた。

 国王夫妻は16日、「COVID-19を抑えるにはガイドラインの遵守が必要であるということに、一切の疑いが残らないようにしたい。われわれの休暇をめぐる議論は、それに寄与しない」と述べていた。(c)AFP