【10月19日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)の下部組織に所属する神童ユスファ・ムココ(Youssoufa Moukoko)が、18日に行われたシャルケ04(Schalke04)とのユースのダービー中に人種差別と暴力の脅迫を受けた。

 15歳ながらU-19の試合に出場し、敵地ゲルゼンキルヘン(Gelsenkirchen)でハットトリックを記録してチームの3-2の勝利に貢献したムココだが、相手の観客からの人種差別発言によって輝かしいパフォーマンスに水を差された。

 ドイツサッカー連盟(DFB)が生配信した試合の映像からは、ムココが2点目を決めた後、ファンが脅迫や人種差別的な発言を浴びせている声が聞き取れた。同国の各メディアも、人種差別的チャントはムココに向けられたものだったと広く報じている。

 ムココは自身のインスタグラム(Instagram)のストーリーで強く反発し、「Black Lives Matter(黒人の命は大切)」のハッシュタグを添え、「この肌の色で生まれてきたことを誇りに思っているし、これからもずっとそうだ」と記した。

 シャルケは「必要な措置を取る」と述べ、すぐさま今回の行為を非難。ツイッター(Twitter)に「本日のU-19の試合において、ユスファ・ムココに向けられた一部ファンの行動については謝罪することしかできない。ダービーの感情は脇に置き、われわれはこうした侮辱を徹底的に非難し、これに反対する」と投稿した。

 ムココは欧州サッカー界で最も傑出したタレントの一人として長く目されており、2018-19シーズンはU-17でずっと年上のチームを相手に28試合に出場し、50得点をマーク。また14歳だった昨季はU-19チームに昇格し、28試合で38得点を挙げた。来月にはブンデスリーガ1部でのプレーが可能になる16歳を迎える。(c)AFP