【10月17日 AFP】英ロンドン市場では16日、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相の発言を受け、ポンド相場が大きな振幅を見せた。同氏は、欧州連合(EU)の姿勢に変化がない限り、貿易協議からは手を引き、「合意なき」EU離脱(ブレグジット、Brexit)の準備をすると警告していた。

 ジョンソン首相は、EUは交渉に真剣に取り組んでいないと批判し、EU本部が「姿勢を根本的に変えない限り」、英国は来年1月から世界貿易機関(WTO)の規則に基づくオーストラリア式の合意を結ぶ「準備をする」べきだと発言。これを受け、英ポンドは一時1.29ドルまで急落したが、その後回復した。

 ジョンソン氏の側近も、EU本部が「自身の立ち位置を根本的に変える」ことをしない限り、貿易協議は終わりだと、さらに強い口調で批判していた。

 EUは今週行われた首脳会議で、英国に対し、離脱後の貿易交渉を再開するため公平な貿易規則について直ちに譲歩するよう要求したばかり。

 外国為替証拠金取引(FX)会社オアンダ(Oanda)のアナリスト、クレイグ・アーラム(Craig Erlam)氏は、「4年にわたる交渉の末、さらに(新型コロナウイルスの)パンデミック(世界的な大流行)によって多くの企業が破綻寸前にある中、(交渉が)合意なしで終われば、何もかも悲惨な結果になる」との見方を示した。(c)AFP