【10月17日 AFP】AFPが13機関のエコノミストやアナリストを対象に行った調査で、中国の第3四半期(7~9月期)の国内総生産(GDP)成長予測は5.2%となった。中国では、新型コロナウイルスに対する懸念が緩和されたことで個人消費が徐々に持ち直し、投資と輸出主導で景気回復ペースを取り戻したようだ。

 5.2%という予想は前年の実績6.1%に近い数字となった。AFP調査によると、中国の今年通年の成長率予測は2.3%で、国際通貨基金(IMF)の予測をわずかに上回った。中国当局は、19日に第3四半期のGDPを発表する。

 中国では、新型ウイルスの感染がおおむね抑制されているため、ソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の規制がほぼ解除され、飲食店やショッピングモールに人出が戻り、休日になると、観光地は飛行機や列車を利用して訪れた人であふれている。

 米経済データ分析会社ムーディーズ・アナリティックス(Moody's Analytics)のエコノミストは、「中国の景気刺激策は、中小企業や失業者への直接給付よりも産業・建設部門に力を入れている点でアジアの大半の国々と一線を画している」と指摘し、「中国の急速な景気回復は、製造業と輸出にけん引されている」との見方を示した。

 DBS銀行(旧シンガポール開発銀行)のアナリストは、景気を最も後押ししているのは政府主導の投資で、海外需要も改善していると述べている。

 一方でエコノミストらは、新型ウイルスに対する懸念と、国際的な緊張が外部市場を圧迫している状況を考えると、中国の消費者需要が急激に回復する可能性は低いと分析している。

 オランダの銀行ラボバンク(Rabobank)のエコノミストは、「中国は複数の国々との対立を強めており、貿易相手国の一部では新型ウイルスの感染第2波が起きている」と指摘。(新型ウイルス感染対策用の)防護具や電子機器など、特定の製品の輸出は伸びる可能性があるが、そうしたプラスの影響は「全般的に外需が低迷することで相殺される可能性が高い」と指摘した。(c)AFP/Beiyi SEOW / Jessica YANG