【10月17日 AFP】(更新、写真追加)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、フロリダ州で大統領選の選挙集会を開き、対立候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は共産主義と犯罪歴のある移民の「洪水」をもたらすと主張するなど、支持率回復を目指して支持層の右派に向けた強硬姿勢をアピールした。

 トランプ氏は平静を装っていたが、この日、前回の大統領選で勝利したフロリダ、ジョージア両州で遊説したことは、投票日までの残り18日間で大きな巻き返しが必要であることを示している。

 支持率が低下し、新型コロナウイルス感染が国内で拡大する中、トランプ氏は熱狂的な支持者が大挙して投票することを目指して共和党の支持基盤固めに注力している。

 フロリダ州オカラ(Ocala)で行った集会でトランプ氏は、新型コロナウイルスについては補足程度にしか言及せず、移民や人種の問題や、バイデン氏は汚職まみれだという陰謀論を、大歓声を上げる支持者らに力強く訴えた。

 一方、バイデン氏はミシガン州サウスフィールド(Southfield)を訪れ、選挙運動で最大の争点としているトランプ氏の新型コロナの対応について激しく非難した。

 トランプ氏を厳しく批判し、最近、「ミリシア」と呼ばれる極右武装勢力が拉致計画の標的にしていたことが明るみに出た民主党のグレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer)ミシガン州知事と共に招待者と報道陣約20人の前に現れたバイデン氏は、「(拉致計画は)ISIS(イスラム過激派組織『イスラム国(IS)』の別称)がやるようなことだ」と述べ、トランプ氏が極右勢力や白人至上主義グループを明確に非難しなかったことには「あぜんとする」とした上で、トランプ氏の発言は、こうしたグループに対する「犬笛」だと語った。

 しかし、バイデン陣営の選挙対策責任者ジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon)氏は、全米規模の世論調査で民主党の支持率は高めに出る傾向があるにもかかわらずバイデン陣営は2桁のリードがあるわけではないと指摘し、慎重な姿勢を示した。(c)AFP/Brendan Smialowski with Sebastian Smith and Chris Lefkow in Washington