【10月18日 Xinhua News】中国社会科学院考古研究所内モンゴル第2隊と内モンゴル文物考古研究所の合同チームがこのほど、内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)の遼上京遺跡で遼・金代の大規模な皇家寺院遺跡を発見した。これまで見つかった寺院の中で最大規模になるという。

 遼上京遺跡は同自治区赤峰市バイリン左旗林東鎮の南東部にあり、総面積は約5平方キロメートル。今回発見された皇家寺院遺跡は遼上京皇城遺跡南西の高台にあった。門殿、前殿、後殿の三つの建物が中庭を形成し、周囲を回廊が巡っており、保存状態は良好だった。試掘調査と石柱、土台などの柱梁構造の分析結果から、西を背に東向きに建てられた皇家寺院と考えられるという。

 中国社会科学院考古研究所の研究員で合同チームを率いる董新林(とう・しんりん)氏は、今回発見された寺院遺跡について、上京宮城遺跡に次ぐ大きさで、遼上京遺跡で見つかった中では最大規模になると説明した。遼の滅亡後、金代に一部を増築した形跡もあることから、金代でも皇家寺院として利用されていたとみられる。

 遼上京に関する文献によると、遼の時代には仏教があつく信仰されており、遼上京には多くの寺院があった。董氏は、遼・金代の寺院でこれほど大規模な発掘を行うのは今回が初めてとした上で、同時期の寺院に関する重要な考古学的資料となったほか、「遼上京と遼祖陵遺跡」の世界文化遺産登録の申請に向けた重要な発見になったと語った。(c)Xinhua News/AFPBB News