【10月16日 AFP】タイの首都バンコクで15日、約1万人が大規模な取り締まりに抗議するデモを行った。同日早朝には、数か月続く民主化を求めるデモに対し政府が非常事態宣言を出してデモ隊を主導する活動家らを拘束していた。

 15日早朝、学生主導のデモ隊の鎮圧を目的として、5人以上の集会を禁止する発令が新たに出された。それでもバンコクの商業地区の中心、ラチャプラソン(Ratchaprasong)交差点にはデモ隊が集結し、警察とのにらみ合いで「プラユット(・チャンオーチャー首相、Prayut Chan-O-Cha)は出ていけ!」「われわれの友を釈放せよ!」とシュプレヒコールを上げた。デモの矛先は、2014年のクーデターで陸軍司令官から首相に就任したプラユット氏が率いるタイ政府だが、絶対的な存在であるタイ王室に対しても抗議の声が上がっている。

 夜になると数千人のデモ隊は、屋台の食べ物をつまみながら路上にレジャーシートなどを敷いて座り込んだ。歩道橋から見物する人々も多数集まる中、多くが16日夕方も戻ってくるつもりだと話した。大型放水車2台がデモ隊の近くから退却し学生らは警察のワゴン車を人混みから追い払った。

 非常事態宣言が15日早朝に発令された後、機動隊は首相府前で前夜から野営していたデモ隊数百人を追い払っていた。(c)AFP/Thanaporn PROMYAMYAI and Lisa MARTIN