【10月15日 時事通信社】ニュージーランド(NZ)で17日、総選挙(一院制、基本定数120)の投開票が行われる。新型コロナウイルスをめぐる政府・与党の対応への審判が最大の争点となるが、アーダーン首相(40)は今のところ感染封じ込めに成功したと見なされ、概して評価は高い。首相率いる最大与党・労働党が第1党に躍進、連立を解消し単独政権を狙う勢いで、首相続投となる公算が大きい。

 公共テレビTVNZのニュース部門ワン・ニュースが8日公表した世論調査結果によると、政党別の支持率は労働党が47%、最大野党・国民党が32%だった。労働党は2017年の前回選挙では第2党だったが、小党との連立交渉を経て政権樹立に成功、政権を奪回した。1996年に現在の選挙制度となった後、今回は労働党が政党として初めて議席の過半数を制する可能性がある。

 アーダーン政権は新型コロナに対して「厳しく動き、早めに対応する」方針を掲げ、3月には厳格なロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。封じ込めに成功したことで既に国境管理を除く制限措置は解除された。人口約500万人のNZで感染者は累計約1900人、死者は25人にとどまっている。

 アーダーン氏は18年6月に出産し、現職首相として世界で初めて産休も取得した。ソーシャルメディアを使って、コロナ対策などを生配信する機会も増えた。伝統的な政治家の姿に縛られない振る舞いが国民の支持を集め、首相の支持率は今年、歴代記録を塗り替えた。

 一方、国民党は支持率の低迷を受けて党内抗争が激化。今年に入り党首が2回交代した。減税など得意とする経済政策をてこに3年ぶりの政権復帰を狙うが、挽回にはつながっていない。

 今回は総選挙と同時に、安楽死解禁と嗜好(しこう)用大麻合法化のそれぞれの賛否について国民投票も行われる。(c)時事通信社