【10月15日 AFP】タイの首都バンコクで14日、プラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の辞任を求めるデモが行われ、若者を中心とした数千人が首相府に向け行進した。現場では、デモ隊が要求する王室改革に反対する王室支持派との間での小競り合いも起きた。そして15日にはタイ政府が、首都バンコクでの「違法デモ」を阻止するため、5人以上の集会を禁止した。政府報道官が明らかにした。

【関連記事】王室との闘いは「最悪の事態に備えよ」 不敬罪で逮捕された活動家ら タイ

 タイの学生活動家らはここ最近、6年前のクーデターで陸軍司令官から首相に就任したプラユット氏の辞任を求め大規模な集会を開いてきた。だがデモ隊の一部は、強大な権力を持つ王室の改革も求めており、王室を強く支持する主流派の反発を招いている。

 バンコクの民主記念塔(Democracy Monument)周辺では、マハ・ワチラロンコン(Maha Vajiralongkorn)国王を乗せた車の通過に先立ち、緊張が激化。黄色の服を着た多数の王室支持派が反政府デモに対抗するために集まったため、警察は双方を分離するために防護柵を設置して道路を封鎖。反政府のデモ隊が首相府に向けて行進した際、王室支持派ともみ合いとなった。

 15日には政府報道官が「5人以上の集会」および「国家安全保障に影響を及ぼし得るニュースの電子メディアを通じた配信」を禁止すると発表した。

 映像は14日に行われたデモ。(c)AFP/Anusak KONGLANG and Lisa MARTIN