【10月15日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は14日、理事会の造反で会長代行が退陣した国際ウエイトリフティング連盟(IWF)に「強い懸念」を表明した。重量挙げは2024年パリ五輪で実施競技から除外される危機にさらされている。

 1月に女性初のIWF会長に就任した米国出身のウルスラ・パパンドレア(Ursula Papandrea)氏は、13日の緊急会議で開かれた理事会の投票によりその座を追われた。

 これを受けてIOCは、「IWF理事会がウルスラ・パパンドレア会長代行の交代を決定したことに加え、その決定の下され方と選出された後任を強く懸念している」と発表した。「IOCは在任期間中に彼女と素晴らしい協力関係を築き、彼女がIWF内部で主導してきた改革を全面的に支持している」

 IOCは後任の名前を挙げなかったが、全米ウエイトリフティング協会(USAW)の最高経営責任者(CEO)を務めるフィル・アンドリュース(Phil Andrews)氏は、タイ出身のインタラット・ヨドバントゥーイ(Intarat Yodbangtoey)氏がパパンドレア氏の後任だと発表している。

 タイの重量挙げ選手は、ドーピング違反が相次いだため東京五輪への参加を禁止されるが、それでも同国出身者が統括団体のトップに就任することになった。

 IWFの事務局次長代行を辞任したと明かしたアンドリュース氏は、「この数か月で、競技のことを一番に思っている人ばかりではないことが明確になり、このスポーツを改革するというわれわれの試みは信じられないほどの抵抗に遭ってきた」と明かした。

 今回の権力闘争「およびその結果は、当然ながらIOC理事会の議題になる」としたIOCはすでに先週、「2024年パリ五輪のプログラムにおける重量挙げの地位を再検討する」と警告していた。パリ五輪の種目や選手数は12月に最終決定が下される。(c)AFP