【10月14日 AFP】仏パリ公立病院連合(AP-HP)の責任者は13日、パリ市内の病院の集中治療室が早ければ来週にも新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者で飽和状態になる恐れがあると警告した。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が感染抑制対策を強化するという見方が強まっている。

 パリとその周辺の39の病院を統括するパリ公立病院連合のトップ、マルタン・イルシュ(Martin Hirsch)氏は、現地紙「パリジャン(Le Parisien)」のインタビューで「この状況は避けられない」と指摘。「10月24日ごろまでには、最低でも集中治療室に800〜1000人のCOVID-19患者が入るだろう。現在収容できる上限の70〜90%に相当する人数だ」と警告した。

 この状況でマクロン大統領に感染拡大防止措置の強化を求める圧力が強まっている。マクロン氏は14日夜のテレビインタビューで規制強化を発表するとみられる。

 マクロン氏は13日朝に複数の主要閣僚と会い、今後の対策について協議した。仏政府は病院が新型コロナ患者であふれる状況を避けるため、パリなど複数の主要都市で外出禁止令を発令する可能性があると報道されている。

 前回マクロン氏は、7月の革命記念日(Bastille Day)に合わせてテレビのインタビューを受けた。その後、パリと主要都市の多くで閉ざされた公共スペース内と屋外でのマスク着用が義務付けられた。

 大統領府筋は、「今は極めて重要な時期」であり、政府は外出禁止令を検討しているが、パリや主要都市の完全な封鎖措置は今のところ選択肢にないと述べた。また、マクロン氏はインタビューの中で国民に対し、「状況を悪化させないため、長期的にウイルスと共存することを学ぶ必要性」を呼びかける方針だという。(c)AFP/Joseph Schmid