【10月13日 AFP】オーストラリアは13日、中国が豪産石炭の輸入停止の措置を講じたとの報道が出ていることを受けて、中国側に説明を求めた。これが事実なら、すでに低迷している豪経済にとって深刻な打撃となる。

 オーストラリアの対中石炭輸出は、年間約1兆円規模に上る。

 サイモン・バーミンガム(Simon Birmingham)貿易相は、米中間の緊張が高まる中、政治的な制裁として豪産石炭の購入中止指示が中国側からあったのかどうかについて、外交ルートを通じて照会中だと明かした。

 バーミンガム氏は、非公式な石炭禁輸措置の導入を認めるには至らなかったものの、同氏のコメントは、数週間前から業界に広がっていた輸入停止のうわさを裏付けるものとなった。

 業界関連の複数のメディアが先に、中国国営のエネルギー供給会社と製鋼所が、オーストラリアからの石炭購入をやめるようにとの中国当局からの「口頭での通達」を受けていたと報じていた。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は13日、石炭禁輸に関する質問への回答は避け、詳細については他の関係当局に聞くよう促した。ただ具体的な当局名には言及しなかった。

 趙報道官は、「健全で安定した中豪関係は、両国の相互利益にかなうものだが、そのためには双方が努力する必要がある」とした上で、豪政府に対し「中豪間の相互信頼に寄与するより多くの行動」を強く促した。

 両国間ではここ数か月、貿易摩擦とスパイ疑惑で緊張が続いている。(c)AFP