【10月15日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)男子シングルスは、34歳のラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の13回目の優勝で幕を下ろし、盟友にしてライバルのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)も「スポーツ界における最大の偉業の一つ」とたたえた。しかし彼らを追い越したい野心を胸に秘める選手たちにとっては、またしても突き刺すような痛みを味わわされる結果だった。

 これで四大大会(グランドスラム)の勝利数をフェデラーに並ぶ20勝に乗せたナダルは、30代でのグランドスラム勝利数を6としている。世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)も全17勝のうち5勝、39歳のフェデラーも4勝を30歳の誕生日を迎えてから獲得している。

 こうした数字は、男子テニスの「ビッグ3」とほかの選手との差を如実に表している。

 決勝でジョコビッチに6-0、6-2、7-5で圧勝し、優勝を果たしたことで、ナダルはジョコビッチと同じ2000年代、2010年代、2020年代の全てでグランドスラムを制した選手となった。

 ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)での戦績を100勝の大台に乗せ、敗戦はわずか二つしかないナダルは、それでもグランドスラム最多優勝者としての引退にこだわりはないと強調している。

「誰よりもグランドスラムを勝った選手としてキャリアを終えられたら、それは最高だ」「しかし、今回はノバクが勝った、ロジャーがまた一つ取ったといったことをずっと考えて過ごすつもりはない」

「隣の人が自分より大きな家を建てたとか、大きなボートや良い電話を買ったとかいったことに常に不満を抱いているわけにはいかない」「もちろん数字は気にする。ロジャーに数字で並べたというのは自分にとって大きなことだ」「だけど、そういうことはキャリアを終えるときにまた振り返ろうじゃないか。僕らはまだ現役だ。これから何が起こるかは分からない」