【10月13日 AFP】2005年の全仏オープンテニス(French Open)でラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)がマリアノ・プエルタ(Mariano Puerta、アルゼンチン)を4セットで下し、四大大会(グランドスラム)で初優勝した時、それがあらゆるスポーツを見渡しても類を見ない連勝劇の始まりだと予見した人はいなかった。

 以来、ナダルはローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)でマッチ通算100勝を挙げ、敗れた数はわずか2回のみとなっている。11日に行われた今年の全仏オープン決勝ではノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)をストレートで粉砕し、前人未到の13度目の大会制覇を成し遂げた。

 長きにわたって膝や足、手首に肩と多くのけがと闘ってきたナダルも34歳となり、競技を退いて、故郷のマヨルカ(Mallorca)島でゆったりとした生活を送ることを決めてもおかしくない。

 しかしながら、挑戦者たちにとっては厄介なことに、ナダルは男子歴代最多のグランドスラム優勝20回でロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と並んでもなお、今すぐ身を引くつもりはない。

 12日、AFPの電話インタビューに応じたナダルは、「勝利がプレーする目的だ」と語った。

「ハイレベルな競技において、重要なのは勝利。それが現実だ」「そして勝利の後に、さらに大きな自己満足というものがある。目標を達成するために、犠牲を払わなくてはならなかったときもある」

 ナダルは全仏オープンを19歳で初めて制すと、そこから4連覇を果たし、一気に「赤土の王者」としての立場を築いた。

 2009年大会の4回戦でロビン・ソデルリング(Robin Soderling、スウェーデン)に敗れた時は世界が驚いたが、翌年の大会では決勝でソデルリングにリベンジ。再びマッチ39連勝、大会5連覇を成し遂げた。

 2015年にはジョコビッチに敗れ、その1年後は3回戦前に手首のけがで棄権。それでも、2017年には本調子を取り戻すと、以来王座に君臨し続け、何年も前にプエルタを倒した時のように圧倒的な強さを維持している。

「変わったものは年齢だ」とナダルは笑う。「15歳年を取ったということが、唯一ネガティブなこと」

「それ以外は、人生の基本的なことや重要なことは、それほど変わっていない」「実際、今も同じ場所に住んでいるし、友達も同じ。大会に出ていないときの生活は、特に変わったところがないというのが現実だ」