■コロナウイルス

 もう一つネガティブなことがある。昨年12月に中国で初めて確認されて以来、100万人以上が命を落としている新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)だ。

 テニス界が数か月にわたって中断している間、ナダルは自身の体とテニスの状態を保つのに手を焼き、今年は全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を欠場し、全仏に専念することに決めた。

「ロックダウン(都市封鎖)の後、あまり調子が優れなかった。何週間もほとんどトレーニングをしなかった」「特に封鎖期間になってから最初の2か月は、自分のやり方でトレーニングができなかった」とナダルは振り返る。

「体にロックダウンの影響が少しあった。自分のようにものすごい距離を走ってきたような体は、極端な中断があると、普段の状態に戻るのがだいぶ複雑になる」「自分の場合は数か月反応が悪く、少しずつ自然と解決していった。タフな数週間だった」

 また、ウイルスが世界に広がる様子を「悲しい気持ち」で見ていたといい、「自分は繊細な人間なので、本当に多くの苦しみや死、大勢の人がつらい時間を送っているのを見ると、自分も悲しかった」と明かした。

「ある時ニュースを見るのをやめた。あまりにも悲しくなって、健全じゃなかった。心配しながら生活しているが、また状況は悪化してきているようにみえる」

「この悪夢がなるべく早く終わり、人々がもっと楽しくて幸せな世界で再び生活できるようになることを願っている」

 15年後に何をやっているかという質問に対しては「あまり長期的な計画を立てるタイプじゃない」とし、明言を避けた。

「でも自分の基金やアカデミー、それにこれから始まることもいくつかあるし、やることはたくさんある」「今のところはテニスをプレーしている…。あとどれくらいかはいずれ分かるだろう」 (c)AFP/Pablo MELIAN