【10月13日 AFP】競馬界で数々の記録を破ってきた牝馬エネイブル(Enable)が引退した。エネイブルは4日の凱旋門賞(99th Prix de l'Arc de Triomphe)で史上初の3勝目を目指したが6着に終わっていた。

 ジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師が管理し、フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手が騎乗する6歳のエネイブルは、7月に行われた第70回キングジョージ6世&クイーンエリザベス・ステークス(70th King George VI and Queen Elizabeth Stakes)で最多3度目の優勝を飾った。

 しかし、昨年の凱旋門賞で2位に終わっていたエネイブルは、今年は不良馬場によってチャンスがしぼみ、6着となった。

 17日に予定されているブリティッシュ・チャンピオンズデー(British Champions Day)がラストランになる可能性も浮上していたが、サウジアラビアのハリード・ビン・アブドゥッラー(Khalid bin Abdullah al Saud)王子が所有するジュドモントファーム(Juddmonte Farm)陣営が発表文を出し、引退を認めた。

 5年にわたって19レースに出場してきたエネイブルは、G1通算11勝を含む15勝をマーク。欧州調教馬としては歴代最多となる総額1070万ポンド(約14億7000万円)の賞金を獲得した。

 ジュドモントによれば、エネイブルは来年から繁殖馬としてのキャリアを始め、最初の交配相手はキングマン(Kingman)になる予定だという。

 ゴスデン調教師はエネイブルについて「並外れたキャリアを終え、幸せに健康な状態で引退した」「彼女が毎日いてくれたことは喜びだった。G1における成績は驚異的で前例がない」と述べた。(c)AFP