【10月13日 Xinhua News】中国の鉄鋼大手、南京鋼鉄(江蘇省南京市)の工場で10日、中国初となる貨物列車用スマート電池機関車の運行が始まった。

 機関車は送電大手の国家電網傘下の国網江蘇省電力と中国電力科学院が1年半かけて開発した。全長は14・9メートル、重さは92トンで、既存のディーゼル機関車を改造した。リン酸鉄リチウム電池が動力源で、最高設計時速20キロ。2500トンの貨物を積載した状態で120キロ走行できる。

 国家電網傘下で総合エネルギーサービスを手掛ける国網江蘇総合能源服務のプロジェクト責任者、周顕威(Zhou Xianwei)氏は貨物列車用のスマート電池機関車について、高速鉄道車両と異なり走行時に外部電源は必要ないと説明。「蓄電池を使用しており、大型工場の構内など高速走行の必要のない短距離の輸送に適している」と述べた。

 中国電力科学院新エネルギーセンターの試算によると、同機関車の年間電力使用量は約39万キロワット時。ディーゼル油を約172トン節約できるほか、二酸化炭素など温室効果ガスの排出を約817トン減らすことができるという。

 専門家は、鉱山や石油化学、港湾物流など貨物輸送需要の高い業界で一定のニーズがあるとしている。(c)Xinhua News/AFPBB News