【10月13日 People’s Daily】9月20日、北京市延慶区(Yanqing)にある万里の長城・八達嶺で、2022年北京冬季五輪の旗を持った人々が険しい長城を駆け上がった。夜の長城が幻想的な明かりに照らされ、開幕まで500日のカウントダウンイベントが行われた。五輪3大会場の一つ・延慶会場は、本番に向けて着々と準備を進めている。

 秋色に包まれた小海陀山の深い谷間に、国家ボブスレー・リュージュセンターのトラックコースが竜のように長くうねっている。全長1975メートル、高低差は120メートルにわたり、延慶会場で最も難度が高い工事だ。建設プロジェクト党支部書記の姚遠(Yao Yuan)さんは、2018年1月の施工開始から工事を見守ってきた。「難関を一つずつ乗り越え、『無』から『有』が生まれ、『有』から『優』が生まれていく姿を目の当たりにしました。世界に中国の力量を示したことを誇りに感じます」

 延慶会場は年内の完成が目標。8月末までに国家アルペンスキーセンターの完成率は92%に達し、国家ボブスレー・リュージュセンターは94%に達した。五輪村とプレスセンターの工事も7割方進んでいる。

「グリーン(エコロジー)五輪」という北京冬季五輪の理念は、建設工事でも貫かれている。環境に配慮した工事を進めており、五輪村には多くの樹木が生い茂り、冬季五輪森林公園の整備も進んでいる。

 競技会場以外にも医療、交通、宿泊などの整備も進んでいる。

「五輪医療保障センター」は完成間近で、年末に運営を始める見込み。面積は1万2467平方メートル、外科、内科など18科があり、救急搬送用のヘリポートも備えている。世界各地から訪れる代表選手や関係者らに高水準のワンストップ式医療サービスを提供する。五輪会場の北京市や張家口市と高速鉄道でつながる延慶駅の総合交通センターも7月に工事が完了。大会期間中の大動脈となる。五輪に向けて5つ星から3つ星級のホテル14棟が整備され、部屋数は3331室にのぼる。

 冬季五輪を地域発展の起爆剤にしようと、延慶区はスケート場やスキー場などの設備を充実させ、人材育成に努めている。五輪後も各種大会を開き、ウインタースポーツ愛好者や観光客を呼び込む計画で、地域の成長戦略としてウインタースポーツ産業の振興に力を入れている。(c)People's Daily/AFPBB News