【10月12日 AFP】不治の病に侵され、自ら死にゆく様子をソーシャルメディア上で生配信することを計画していたフランス人男性が10日、AFPの取材に対し「最期の最期まで」飲食や服薬を完全に拒否するつもりだと話した。

 アラン・コック(Alain Cocq)さん(57)は以前、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領に安楽死を求めたが、認められなかった。その後、9月5日から飲食と服薬を完全に断っていると発表していた。しかし、コックさんは飲食と服薬を3日間断ったが、痛みが耐え難いものとなったため、緩和ケアを受け入れた。

 コックさんは、「10月12日月曜日午前0時から、すべての飲食と痛み止め以外の医療を断つ」「最期まで続ける」とAFPに語った。

 コックさんは動脈壁が癒着するまれな病気を患っている。

 フランスでは終末期にある患者が自らの意思で安楽死することは認められていないが、コックさんは今回の行動によって、現状への関心を高めたいと考えている。

 コックさんによると、1度目の挑戦に失敗し、緩和ケアを受け入れた際、痛み止めが正しく効くように医療チームから水分と食べ物を与えられたという。

 コックさんは、このことから教訓を得たとして、「今回は、私の希望を文字で記しておく……ある時、医療を求めたとしても、生きたいと望んでいるわけではない」「これ以上苦痛に耐えられないということ。そして深く、継続した鎮静状態を求めているということを意味する」と語った。(c)AFP