【10月11日 Xinhua News】中国北京市で開かれた「第16回北京国際モーターショー(北京モーターショー2020)」は自動車産業の未来についてさまざまな想像を喚起し続けている。他都市のモーターショーが消費の促進という市場機能に重点を置くのに対し、北京モーターショーは自動車産業のバロメーターとしての意義がより大きい。今年は中国自動車産業について少なくとも三つのシグナルが見て取れた。

 まず、中国の自動車市場が世界の自動車産業の成長を支えるとの見方がより固まった。ジュネーブ、フランクフルト、パリ、北米、東京の5大国際モーターショーが相次いで中止・延期され、北京モーターショーが予定通りに開催された唯一の主要モーターショーとなったことは、中国さらには世界にとって特別な意義がある。中国自動車市場は世界で最も早く立ち直り、3月に底を打ってV字回復している。

 次に、新エネルギー車(NEV)が燃料車に取って代わるプロセスを中国が主導する可能性がある。北京モーターショーで出展された車に占めるNEVの割合は40%で圧倒的に多いわけではないが、国内外の自動車大手のほとんど全部が量産型NEVを出展し、しかも各展示ブースではNEVが目玉として打ち出された。特に中国メーカーのNEVは展示された160台のうち147台を占め、バッテリーやモーター、電気制御システムでも海外メーカーに引けを取らない技術を見せつけた。電気自動車の航続距離では海外メーカーが中国メーカーに水をあけられたとした専門家もいる。

 最後に、モーターショーでの多くのハイテク企業の登場は「自動車産業を変える力は産業の外側から来る」との見方を裏付けた。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は昨年の上海国際モーターショーに続いて北京モーターショーにも初出展し、車載ネットワークやモーター制御システムなど、バッテリー以外を網羅するスマートモビリティーのソリューションを出展した。ファーウェイは自動車製造には参入しないと繰り返し表明しているが、自動車産業の未来に布石を打っており、スマートカーの各分野へかかわっていく構えであることが分かる。(c)Xinhua News/AFPBB News