【10月10日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)は9日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)は6-3、6-2、5-7、4-6、6-1で第5シードのステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)から劇的な勝利を収め、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)との決勝に進んだ。

 2016年大会の王者で世界ランキング1位のジョコビッチは、第3セットにマッチポイントを握りながらも最終的にフルセットまでもつれた一戦を制し、全仏オープンで5度目、四大大会(グランドスラム)通算27度目の決勝進出を果たした。

 12度の大会制覇を誇る第2シードのナダルは6-3、6-3、7-6(7-0)で第12シードのディエゴ・シュワルツマン(Diego Schwartzman、アルゼンチン)を下し、13度目のファイナルに駒を進めた。

 決勝でジョコビッチが通算18回目のグランドスラム優勝を果たせば、各四大大会を2度以上制した選手が過去半世紀で初めて誕生することになる。

 一方のナダルは、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に並ぶ男子歴代最多のグランドスラム20勝目に王手をかけている。

 過去15年の全仏でナダルに土をつけた2人のうちの一人であるジョコビッチは、通算56回目の直接対決に向け、「ここはラファの家だ。自分には勝つモチベーションが生まれるだろう。2015年大会の準々決勝では彼に勝利しているが、クレーでのナダルとの試合は最大のチャレンジになる」と話した。

 その一方で、グランドスラムの舞台でナダルに初めて勝利した2011年のウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2011)を引き合いに出しながら、過去にもっと重要な決勝を戦ってきたと指摘。「これまでの人生で最大の試合ではないと思う。もっと大きな試合があったと思う」し、11日の決勝を前に期待を和らげようとしていた。

 またジョコビッチは、「ステファノスはビッグプレーヤーだが、4時間の戦いで疲れていた。本当に苦しめられた。コート上では落ち着いているように見えたかもしれないが、実際は違っていた」と話し、2度目のグランドスラム準決勝に臨んだチチパスを称賛した。

 そのチチパスは「ノバクはこれまでのキャリアで相対した中で最も厳しい相手」とコメントし、「折り悪く試合の終盤にかけ、ローマ(イタリア国際<Internazionali BNL d'Italia 2020>)でしたけががぶり返した。しっかりと戦いながら試合を終えるのは難しかった」と明かした。(c)AFP/Dave JAMES