【10月10日 AFP】スペイン政府は9日、新型コロナウイルスの感染が拡大しているマドリード首都圏に非常事態を宣言し、新たに部分的なロックダウン(都市封鎖)措置を講じると表明した。同国の裁判所は前日、先に導入された封鎖措置を無効とする判決を下していた。

 スペインでは、3~4月に実施された厳格な封鎖措置は概して受け入れられたものの、感染第2波の抑制に向け初秋に始まった措置に対する反発が強まっている。

 スペイン政府は先週末、マドリードに対して、通勤・通学や、医療上の理由がある場合を除き、市外への移動を禁止する封鎖措置を導入した。だが右派の市自治体はこれに強く反発。地方裁判所は8日、封鎖措置を無効とする判断を下した。

 サルバドール・イジャ(Salvador Illa)厚生相はこれを受け、政府が非常事態宣言の発令を通じ、450万人が暮らすマドリード首都圏で封鎖措置を再導入すると発表した。

 封鎖措置をめぐっては、フランスでも先週、南部マルセイユ(Marseille)での飲食店閉鎖命令に地元自治体が反発。英国でもマンチェスターやミドルズブラ(Middlesbrough)といったイングランド北部都市の市長が政府の措置に従わない構えを示している。

 新型コロナウイルス感染者数は今週、世界全体で増加傾向を維持。AFPが9日に各国当局の発表に基づきまとめた統計によると、1日の新規感染者数の平均は前週比6%増の31万5000人となった。

 地域別では欧州の増加幅が再び最大となり、前週比28%増を記録。ロシアでは9日、新規感染者数が1万2126人と、5月の記録を塗り替えて過去最多となった。(c)AFP/Hazel Ward and AFP bureaus