【10月8日 AFP】フィンランドのサンナ・マリン(Sanna Marin)首相(34)は7日、16歳のアーバ・ムルト(Aava Murto)さんに職務を委ねて、いつもより静かな一日を過ごした。

 この「首相交代」は、若い女性の権利を訴える国際キャンペーン「ガールズ・テークオーバー(Girls Takeover)」の一環として行われたもの。

 フィンランド議会の階段で記者会見に臨んだムルトさんは、「エキサイティングな一日」を過ごしていると語り、会見前の法相との「会談」では「立法について新しいことを学んだ」と述べた。

 気候変動や人権問題に関する活動に積極的に参加しているムルトさん。午後は、議員や閣僚らと開発や貿易をめぐり意見交換を行った。

 ムルトさんはAFPの取材に、少女たちには「もっと自分の存在の重要さや、男の子と同じくらいテクノロジーに強いことを知る必要がある」と議員らに伝えたと説明。また「若者たちは、より革新的になることや、もっと未来について考えることを大人に教えられると思う」と語った。

「ガールズ・テークオーバー」キャンペーンは、子どもの権利擁護NGO「プラン・インターナショナル(Plan International)」が主催している。今回のマリン首相とムルトさんの「首相交代」には、若い女性たちのデジタル技能やテクノロジー産業での機会について人々の関心を高め、インターネット上での女性に対するハラスメント(嫌がらせ)の問題を浮き彫りにする狙いがあるという。

 マリン首相は昨年12月、世界で最も若い国家首脳として就任し、中道左派の連立政権を率いている。連立を組む5政党の党首も、全員女性だ。(c)AFP