薬物使用者に「安全な摂取場所を」 バンで巡回 英グラスゴー
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■公衆衛生上の緊急事態
英政府の最新統計によると、スコットランドにおける2018年の薬物関連死は1187件。薬物関連の死亡率は世界の中でも最高水準にあり、スコットランド行政府は公衆衛生上の緊急事態だと警戒している。
クライカントさんのバンに、その日最初の利用者たちが現れるのは午後2時過ぎだ。利用者の一人はクライカントさんから手袋、マスク、滅菌水と未使用の注射器が一式になった滅菌済みのセットを受け取り、車の奥のテーブルで薬物を注射する。
医療用手袋をつけたクライカントさんが、使用済みの注射器を医療廃棄物入れに捨て、利用者が使ったテーブルを念入りに拭く。通常、薬物使用者らは1日に3回注射をする。次に薬を打つのは午後6時頃だ。
クライカントさんはその前に自宅に戻って家族と過ごし、その間、薬物中毒者は公園や廃虚、あるいは路地に再びとり残される。(c)AFP/Stuart GRAHAM