【10月8日 AFP】スリランカの最大都市コロンボ(Colombo)近郊の縫製工場で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、従業員1000人超の陽性が確認された。当局が7日、明らかにした。同国最大の集団感染で、当局は原因究明を急いでいる。同工場は、8月まで米国向けのマスクを製造していた。

 3日前に最初の感染者が確認されて以来、感染が相次いで確認され、スリランカの累計感染者数は4500人近くに膨れ上がった。

 同工場を所有するブランディクス(Brandix)によると、工場での集団感染を封じ込めようとしたが、無症状の感染者が多かったために失敗したという。

 さらなる感染拡大が懸念される中、スリランカで最も権威ある疫学者、スダッツ・サマラウィーラ(Sudath Samaraweera)氏が、当局に協力するよう地元コミュニティーに呼び掛けた。

 当局によると、同工場の従業員1700人のうち、感染が確認された1026人が入院しているという。残りの従業員および全従業員の家族は、政府の隔離施設に移送されているところだという。全員が数日以内に新型ウイルス検査を受ける予定。

 工場がある地域とその周辺地域は、無期限の「局地封鎖」が敷かれた。

 ブランディクスは、スリランカ最大の衣料品輸出業者で、8月には3重構造のマスク2億枚を米国の顧客に納品した。顧客についての詳細は明らかにされていない。

 集団感染が起きた縫製工場は、この顧客からの発注を受けてマスクを製造したが、それ以降はスポーツウエアを製造していた。(c)AFP