【10月8日 AFP】旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で続く軍事衝突で、これまでに住民の半数が避難を余儀なくされた。当局者が7日、明らかにした。両国の和平を仲介する欧州安保協力機構(OSCE)ミンスクグループ(Minsk Group)は8日、スイスのジュネーブでの初会合を予定している。

 ナゴルノカラバフの主要都市ステパナケルト(Stepanakert)は新たな攻撃を受け、アルメニアによると、前線一帯で戦闘が激化している。そうした中で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は国営テレビのインタビューで、「大きな悲劇」を終わらせるよう呼びかけた。

 プーチン氏は、ナゴルノカラバフをめぐる長期的な紛争を解決できなくとも、停戦合意は「可及的速やかに」結ばれなければならないと訴えた。

 アゼルバイジャンは数時間後、ジェイフン・バイラモフ(Jeyhun Bayramov)外相が8日にジュネーブを訪問し、フランス、ロシア、米国の外交官が共同議長を務めるミンスクグループの指導部と面会すると発表した。ミンスクグループは、1990年代からナゴルノカラバフ紛争の解決を目指してきた。

 アルメニアは、ゾフラブ・ムナツァカニャン(Zohrab Mnatsakanyan)外相がジュネーブでアゼルバイジャン外相と面会することはあり得ないとした上で、「一方の手で交渉を行いながら、もう一方の手で軍事行動を継続することはできない」と述べた。

 ムナツァカニャン氏は12日、ロシア・モスクワでセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と会談する予定。

 ロシアは、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相がアルメニアとアゼルバイジャンの国防相らと7日夜に会談したと発表したが、詳細は明らかにしなかった。(c)AFP/Hervé BAR