新しい暮らし、受け継ぐ伝統 豊かな生活を目指す貴州省ミャオ族の村
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【10月8日 People’s Daily】中国貴州省(Guizhou)榕江県(Rongjiang)加宜村は、少数民族のミャオ族たちが暮らす伝統的集落だ。409世帯で1843人が暮らす村は、「九山半水半分田(9割が山で、残りが川水と田畑)」と言われるほどの山岳地帯にある。人々は他の集落からも離れた山奥で、1階部分に豚や牛、ニワトリなどの家畜を飼い、2階に村人が暮らす伝統的な高床式住居に暮らしていた。
2018年、榕江県貧困解消工作チームの孫健(Sun Jian)さんは村内を視察し、汚水が垂れ流され、蚊が耳元でブンブン音を立てる環境を目の当たりにした。「人と家畜が混然となって暮らす生活を変えないといけない。しかし、口で言うほど簡単ではないと思った」。孫さんは当時をそう振り返る。
最初に家畜を移動させようとしたが、応じる家はなかった。そこで工作チームは村の幹部と一緒に家畜を離れた場所に移動させ、ふん尿を掃除してきれいにした後、自宅を全面的に改築した。衛生的で臭いがなく、居住空間が広がった新しい住まいを見て、村人も次第に改築を希望するようになった。
ただ、建物を新しくしても、室内の清潔を保てない家が目立った。工作チームは各家庭の衛生状態を評価し、プレゼントや表彰をすることで、生活習慣を変えていった。また、ストーブや煙突を取り付け、いろりを1階に移すことを奨励し、火災発生のリスクを減少させた。太陽光発電の街路灯156基や駐車場、公衆トイレも整備し、村全体の環境も改善した。
原生林が村全体を覆う加宜村は、気候が温暖で雨水にも恵まれている。この「天然の宝庫」を生かそうと今年3月、村の特産品を販売する会社を設立。「美しい加宜」というブランド名でタケノコを売り出し、オンライン販売や直売で20万元(約310万円)以上の売り上げを達成した。
孫健さんは現在、加宜村の歴史と民族文化、自然を観光に生かすことを計画している。村では9軒の旅館と観光案内センターを建設中だ。建物にはミャオ族伝統様式も取り入れ、半年後には観光客を迎え入れる。
村の観光で最も多くの人を引きつけるのは、月亮山の山腹に連なる棚田だ。秋の実りの時期を迎え、棚田では黄金色の稲穂が風に揺られている。収穫の風景は一幅の絵巻のように美しい。ミャオ族の祖先たちから代々受け継いできた財産を生かし、村民たちは豊かな生活を送ろうと努力している。(c)People's Daily/AFPBB News