【10月20日 AFP】ブルガリア中部バルカン山脈(Balkan Mountains)に、共産主義体制時代に建てられた「空飛ぶ円盤」が鎮座している。今、芸術の専門家や建築士が参加する国際チームが、ブルガリアで最も人目を引くこのモニュメントを保存しようと奮闘している。

「バズルジャ記念碑(Buzludzha Peak)」は、共産主義の栄光をたたえるために造られたものだったが、体制崩壊後は荒れ果てた。

 建物を将来的にどうするのかという議論が起こり、今、見事なモザイクの保存作業が進行中だ。

 標高1400メートルの高地に1981年に建てられたモニュメントは鉄筋コンクリート製で、円盤部分の脇には下を見下ろすように大きな赤い星が付けられた、高さ70メートルの2本の柱がある。1944年9月のソ連赤軍の侵攻や、労働者や小作農賛美、社会主義社会における女性の役割などが描かれていた、937平方メートルの広さに及ぶモザイク装飾の3分の1は失われてしまった。

「鎌とつち」は、今でも天井の中央を飾っているが、その周辺の屋根は一部が崩れ落ちている。当時の独裁者トドル・ジフコフ(Todor Zhivkov)の肖像画は、みすぼらしい落書きに取って代わられた。(c)AFP/Vessela SERGUEVA