【10月7日 AFP】世界で最も完全な状態で残っている化石の一つ、大型肉食恐竜ティラノサウルス・レックス(T・レックス、Tyrannosaurus rex)の「スタン(Stan)」が6日、米ニューヨークのクリスティーズ(Christie's)で競売に掛けられ、恐竜の化石としては最高額となる3180万ドル(約33億6000万円)で落札された。

 T・レックスの人気は依然として高く、クリスティーズの予想した落札価格600万~800万ドル(約6億3000万~8億4000万円)を大きく上回った。

 これまでの落札最高額は、米シカゴのフィールド自然史博物館(Field Museum of Natural History)の「スー(Sue)」の名で知られるT・レックスの化石で、1997年10月に英競売大手サザビーズ(Sotheby's)で840万ドル(約8億9000万円)を記録した。

 T・レックスの化石は1902年に初めて発見されて以降、約50体しか見つかっていない。

 今回競売に掛けられたスタンは、体高約4メートル、体長12メートル、生きていた時の体重は約8トンと推定される。約6700万年前に20歳前後で死んだという。また頭蓋骨と首の骨にあるかまれた痕は、T・レックス同士で戦った証拠だと専門家らは考えている。

 スタンは米サウスダコタ州で1987年に発掘され、発見者である在野の古生物研究者スタン・サクリソン(Stan Sacrison)氏にちなんで愛称が付けられた。(c)AFP