【10月7日 AFP】インドでカースト最下層のダリット(Dalit)の女性(19)が集団レイプされ死亡した事件で、警察の対応への抗議運動が全土に広がる中、警察は6日、外国の人権団体やイスラム教団体がカースト間の対立をあおっていると批判した。

 インドでは、ダリットの女性が上位カーストの男4人に集団レイプされて死亡する事件が先月発生して以来、性暴力の横行や下位カーストの扱いに対する抗議行動が各地で起きている。集団レイプの容疑者はすでに4人とも逮捕されており、有罪になれば、死刑となる。

 しかし、捜査を十分に行わず、被害者の遺体を遺族の許可なく火葬したとして警察が非難の的になっている。さらに、北部ウッタルプラデシュ(Uttar Pradesh)州にある被害者宅を警察官で取り囲み、誰も遺族に会えないようにしていることから、遺族を脅して隠蔽(いんぺい)を図っているとも批判されている。

 事態が中央およびウッタルプラデシュ州で政権を握るインド人民党(BJP)を揺るがす政治問題にまで発展する中、警察は抗議行動を組織しているのは「反国家的な」分子だと主張。

 ウッタルプラデシュ州の警察幹部は、「外国の人権団体やイスラム教団体の関与が報告されている」と発表。この幹部はAFPの取材に対し、約500人に暴動扇動と共謀の容疑をかけており、うち6人をすでに逮捕したと明らかにした。(c)AFP