【10月7日 AFP】開催中の全仏オープンテニス(French Open 2020)で八百長が疑われる事例があったため、同国検察当局が6日、捜査を開始したことを発表した。八百長があったのは女子ダブルスの試合だと報じられている。

 フランスゲーミング庁(ANJ)内部の関係者は、匿名を条件に「あまり有名ではない選手が出場した1回戦の試合だ」とだけ話し、どの試合が捜査対象になっているかは明かさなかった。

 同国スポーツ日刊紙レキップ(L’Equipe)とドイツ日刊紙ウェルト(Die Welt)は、問題の試合は9月30日に行われた女子ダブルス1回戦のアンドレア・ミトゥ(Andreea Mitu、ルーマニア)/パトリシア・マリア・ティーグ(Patricia Maria Tig、ルーマニア)組とヤナ・シジコワ(Yana Sizikova、ロシア)/マディソン・ブレングル(Madison Brengle、米国)組の一戦だと報じている。

 疑惑の目が向けられているのは第2セットの第5ゲームで、シジコワが2本のダブルフォールトを犯してルーマニアのペアがラブゲームでブレークしたが、レキップによれば、ルーマニアペアのこのゲームの獲得にかなりの金額が賭けられていて、複数の国でベットが行われていたという。試合はミトゥ/ティーグ組が勝利した。

 フランステニス協会(FFT)のジャン・フランソワ・ビロット(Jean-Francois Vilotte)局長は、どの試合が捜査中かは明言しなかったものの、現行の対策に手応えを見せ、「警告のシステムが機能している証拠だ。全員がそれぞれの役割を果たしながら情報交換ができている」とコメントした。

 検察は、「組織的な集団による詐欺」と「能動的、受動的なスポーツ界の汚職」の疑惑を捜査中だと話している。捜査関係者は、試合に賭けられた金額が「数万ユーロ」と「異常に大きかった」ことを明かした。(c)AFP