【10月7日 AFP】化学兵器使用を監視する国際機関の化学兵器禁止機関(OPCW)は6日、神経剤ノビチョクを使用した毒殺未遂の被害に遭ったとみられるロシアの野党勢力指導者、アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏の検体に、ノビチョク系の神経剤が含まれていたと明らかにした。

【解説】ナワリヌイ氏の毒物反応、コリンエステラーゼ阻害薬とは?

 OPCWの発表により、ナワリヌイ氏が治療を受けていたドイツの軍検査施設とフランス・スウェーデンの両検査施設の同様の発表が裏付けられる格好となった。

 オランダ・ハーグ(The Hague)に本部を置くOPCWのフェルナンド・アリアス(Fernando Arias)事務局長は「これらの結果は重大な懸念事項と考えられる」と述べた。

 OPCWによると、OPCWの専門家らがドイツで採取したナワリヌイ氏の血液と尿の検体に、神経剤の一種「コリンエステラーゼ阻害薬」の痕跡が確認された。痕跡は、ノビチョクの化学物質2種にみられる「有毒化学物質と類似した構造上の複数の特徴」を有している。OPCWは2019年、これらの化学物質の使用を禁止しているが、OPCWによれば、ナワリヌイ氏の検体に含まれていたノビチョクの型は、昨年禁止リストに掲載された化学物質と一致するものではないという。

 ロシアは、自国で行われた医学検査でナワリヌイ氏の体内に毒物は発見されなかったと主張。ドイツの発表を受け入れず、さらなる証拠が必要だと述べている。(c)AFP