【10月6日 AFP】ロシアのカムチャツカ(Kamchatka)地方で、大量の海洋生物の死骸が打ち上げられた。原因は海洋汚染で、5日には同地方にある軍の試験場に貯蔵されていたロケット燃料が流出したのではないかとの懸念が持ち上がった

 この海洋汚染は先月、地元のサーファーらが目の痛みを訴え、海水の色が変わり、異臭を放っていたと報告したことで発覚。当局が後に確認したところによると、サーファーらの角膜がただれたという。

 地元住民らも観光客に人気のある黒砂のビーチで、アザラシやタコ、ウニなどの海洋生物の死骸が大量に打ち上げられているのを目撃した。

 カムチャツカ地方のウラジーミル・ソロドフ(Vladimir Solodov)知事は5日、カムチャツカ半島沖の海域が有毒な化学物質で汚染されている可能性があると公表。国際環境NGOグリーンピース(Greenpeace)は、海洋生物にとっての「生態学的災害」だと警告した。

 当局は汚染発覚後直ちに検査を実施。基準値を超えるフェノールと石油製品が検出されたという。

 ソロドフ知事によると、検出されたフェノールと石油製品と「何らかの有害物質の流出」が関連しているかどうかについて、専門家が調査をしている。また、海洋生物の死と汚染が広範囲に拡大していることがダイバーによって確認されたという。

 当局は今回の汚染の原因解明を急いでいる。ロシアでは今年6月にもシベリア(Siberia)地方で大量の軽油が地上と川に流出する事故があり、事故報告の遅れをウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が厳しく叱責していた。

 ドミトリー・コブイルキン(Dmitry Kobylkin)天然資源環境相は、テレビで放映されたインタビューで、プーチン氏から原因究明を命じられたとコメントした。(c)AFP/Anna MALPAS