【10月5日 AFP】イスラム教シーア派(Shiite)の聖地、イラク中部のカルバラ(Karbala)に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的な大流行)にもかかわらず、数万人の巡礼者がシーア派最大の宗教行事「アルバイン(Arbaeen)」に集まっている。

 アルバインは、7世紀に預言者ムハンマド(Mohammed)の孫イマーム・フセイン(Imam Hussein)がカリフ、ヤジド(Yazid)に殺害された日から40日後の喪が明ける日のことで、今年は8日に当たる。

 フセインの死はシーア派とスンニ派(Sunni)の分裂における重要な出来事であり、8月末にはシーア派が多数を占めるイラクなどの国でその死を悼む宗教祭「アシュラ(Ashura)」が行われた。だが、昨年までとは異なりイラクは今年、非居住者に対し国境を閉鎖、居住者のみにアシュラへの参加を許可した。

 イラクの国境はアルバインのために開かれたが、COVID-19の拡大を阻止するため入国できるのはアルバインが目的の巡礼者のみで、1か国1500人に限られている。

 イラクはCOVID-19の被害が大きく、これまでに37万5000人以上の感染が確認され、約9500人が死亡している。

 2019年にアルバインのためにイラクに入国した巡礼者は、1400万人に上ると推定されている。(c)AFP