■被害を訴えてバッシングされる女性たち

 自身が出演した動画の削除を希望する十数人の女性の弁護を担当しているエリック・モレーン(Eric Morain)氏は、多くの女性たちが「簡単にお金が手に入る。2時間だけ耐えればいい」と思っていると述べた。

「しかし一般的には、最初に言われた通りに事が運ぶケースはほとんどない」

 運動を起こしている人々は、ジャッキー&ミシェルの調査でポルノ業界の実態に対する認識が高まり、被害者は何もかも承知の上で業界に足を踏み入れているという考えが一掃されることを期待している。

 しかし、女優を含め、その見方には懐疑的な人も多い。

「声を上げ始めた人もいるが、簡単にはいかない」と、フランスで最も有名なポルノ女優の一人、ニキータ・ベルッチ(Nikita Bellucci)さんは言う。

「(業界関係者から)連絡があったという人や、表立って支援を受けたという人は一人もいない」

「告発した女の子たちはソーシャルメディアでバッシングを受けている」として、「ポルノに出演しているのだから、レイプ被害者を名乗る権利はないと非難される」のだと説明した。

 同じく有名女優のキム・エクイノクス(Kim Equinoxx)さんは言う。「女性たちがなぜレイプ被害を訴えているのかを理解しない人たちもいる。そういう人たちは、ボクシング選手が自分が殴られるのは理不尽だと文句を言っているのと同じ、という受け取り方をしている」 (c)AFP/Nicolas KIENAST and Caroline TAIX