【10月5日 People’s Daily】「今の暮らしは本当に良くなったよ」。中国青海省(Qinghai)共和県(Gonghe)甘地郷(Gandi)切扎村で生活する56歳のラジガさんは、広々とした自宅の中庭で満足そうな笑みを浮かべる。応接間には、民族色豊かなチベット式ソファと真新しい冷蔵庫やテレビ。壁には家族の写真がいくつも飾られ、充実した暮らしぶりを感じさせる。

 ラジガさんは2017年8月、政府の呼びかけに応じ、山あいの集落から市街地に移住した。「山の上にあった自宅は土の壁がひび割れ、倒れそうなほどぐらついていた。人様に見せられる家具は一つもなく、飲み水も馬に乗って数キロ離れた場所にくみに行っていた。草地の草の成長も良くないので、牛や羊を養っても、家族の生活は楽なものではなかった」。つらい記憶を思い出すように、首を横に振りながら話すラジガさん。今の住み家に移り、生活は一変した。「去年は仕事の収入に草原禁牧補償金(草原回復のため家畜の放牧を禁止する措置に伴う補償)、そして太陽光発電の利益配当を足すと、3万5000元(約54万円)を超えたよ」。ラジガさんが指折り数えながら、喜びを語る。

「各村のために設置された太陽光発電が、村民に安定した収入をもたらしている」と説明するのは、甘地郷政府幹部の李毛才(Li Maocai)さん。太陽光発電がもたらす収入は、6割は村落全体の経済活動に用い、4割は公益活動にかかわった人々への職能給に用いる。「村が投資して国道沿いに民宿や商店、レストラン、観光施設を建設・運営し、村民は自宅でも仕事ができる。貧しい暮らしを抜けだし、豊かな生活を実現できるようになった」

 切扎村の発電所は数十キロ離れた海南チベット族自治州(Hainan Tibetan Autonomous Prefecture)の太陽光発電団地にある。青い空、白い雲、青々とした草原の中、太陽光パネルがはるか遠くの山のふもとまで続いている。光り輝くパネルは波打つ海のようで、その景色は壮観だ。

 中国政府は現在、国の基準で貧困地域と指定された自治体や住民の生活向上を重点目標としている。太陽光発電団地を運営している海南州貧困解消開発有限責任公司の代合楼(Dai Helou)会長は「発電団地には5の県、11の村の貧困解消を目的とした拠点がある」と説明する。7月までに累計で1.33億キロワット時を発電し、総収益は1億元(約15億5000万円)近くに達した。太陽光発電所の収益は多くの貧困村に行き渡り、州内の173の貧困村に平均57万元(約888万円)の増収をもたらした。

 高原が広がる青海省は太陽光発電の環境にうってつけで、省を挙げて太陽光産業を発展させ、貧困解消につなげている。これまでに省内の貧困人口の25%にあたる7.7万戸、23.8万人が「太陽がもたらした生活」の恩恵にあずかっている。(c)People's Daily/AFPBB News