【10月5日 AFP】米ニューヨークのビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は4日、市内の一部で新型コロナウイルスの感染者が増加していることから、9地域で事業停止や学校閉鎖の再実施を検討していると明かした。同市は新型ウイルスの流行で多数の死者を出したが、現在ではおおむね流行を抑制できている。

 この計画は米国最大の都市ニューヨークにとって、今年3月の新型コロナウイルスの大流行以来、初めて状況が大きく後退したことを示すもので、実行にはニューヨーク州のアンドルー・クオモ(Andrew Cuomo)知事の承認が必要だ。同市の死者は2万4000人に迫る。

 デブラシオ氏は、「残念ながら、きょうは祝いの日ではない」と述べ、ブルックリン(Brooklyn)地区とクイーンズ(Queens)地区の地域で、不要不急な事業の停止や全ての学校の閉鎖を求める方針を発表した。

 州知事の承認を得られれば、ニューヨークは初めて一歩後退し、ロックダウン(都市封鎖)に近づくことになる。

 ニューヨークは今年春、新型ウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の中心地となったが、市当局は最近、米主要都市の中では、陽性率と新規感染者数が最低だと自賛していた。

 9地域の中には、正統派ユダヤ教徒が多く居住し、そのコミュニティー内で新型ウイルスの感染がここ数週間で急拡大している地域もある。

 この感染拡大は、ユダヤ教でもっとも神聖とされる祭日で、贖罪(しょくざい)の日(Yom Kippur)に当たる9月28日まで数日間続いた大祭日(High Holidays)と一致している。(c)AFP