【10月4日 AFP】サンティアゴ・デ・チリ大学(University of Santiago de Chile)の研究チームが2日に発表した論文によると、南極大陸の最北に位置する南極半島(Antarctic Peninsula)の今年これまでの平均最高気温は、過去30年間で最も高かった。

 南極海に浮かぶキングジョージ島(King George Island)にあるチリ空軍のエドゥアルド・フレイ・モンタルバ基地(President Eduardo Frei Montalva Base)の研究者らによると、南極半島の今年1月から8月の平均最高気温は2度から3度の間だった。

 チリ南極研究所(INACH)はこれについて「例年よりも2度以上高い」とし、平均最高気温が0度を超えたのは31年ぶりだと指摘。同地域で20世紀末に観測された海洋温暖化が再び加速に転じたことを示している可能性もあり、憂慮すべき事態だとしている。

 ただその一方で、南半球では冬に当たる8月から9月の平均最高気温は氷点下16.8度で、1970年以降で最も低かった。

 南極半島にはアルゼンチン、チリ、英国といった国々の研究所や軍事基地がある。(c)AFP