【10月4日 AFP】保守的なイスラム教国サウジアラビアに初めて、愛犬同伴可能のカフェがオープンし、飼い主らがコーヒーを楽しんでいる。

 イスラム教では、犬は猫と違って不浄な動物と考えられており、サウジアラビアでは一般的に公共の場所へ連れて行くことが禁止されている。

 だが、海沿いの街ホバル(Khobar)に6月にオープンしたカフェ「バーキングロット(Barking Lot)」は、家の外にペットを連れ出せる数少ない場所として飼い主らを喜ばせている。

 かつて悪名をはせた同国の宗教警察は、男性が女性に言い寄る手段になっているとしてペットの散歩を禁じていた。

 だが、この禁止事項は社会で広く軽視され、ペット連れの光景はますます日常的になっている。

 動物保護施設も複数の都市に開設され、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)による社会改革「ビジョン2030(Vision 2030)」で急速に近代化が進む中、ペットの里親制度もますます身近になっている。

「バーキングロット」のオーナーであるクウェート人のダラル・アハメド(Dalal Ahmed)さんは、以前同国を訪れた際にドッグカフェのアイデアを思い付いたという。

「愛犬を連れてサウジアラビアを訪れた際、ビーチで一緒に散歩することができませんでした」「とても悲しく、カフェをオープンさせることで犬を飼っている人たち、またそうでない人たちの力になりたいと思ったのです」とAFPに語った。(c)AFP/Rania Sanjar