【10月4日 AFP】スーダン暫定政府と反政府勢力は3日、隣国南スーダンの首都ジュバで、数十年にわたって多数の死者を出した内戦の終結を目指し、画期的な和平合意に調印した。

 調印は暫定政府と「スーダン革命戦線(SRF)」の代表により、和平交渉が始まってから1年後のタイミングで行われた。SRFは激しい紛争があった西部ダルフール(Darfur)地方に加え、南部の青ナイル(Blue Nile)州や南コルドファン(South Kordofan)州の武装勢力で構成されている。

 和平合意は、土地の所有権、損害賠償、権力の分担、難民および国内避難民の帰還といった数々の難しい問題をカバーしている。反政府勢力はスーダンが政教分離を保障する新憲法を制定するまで、「自衛」のため武器を持つことが認められている。

 南コルドファン州と青ナイル州には相当数のキリスト教徒がおり、首都ハルツームの政権によるイスラム法の適用停止を求め、数十年にわたって闘争を続けてきた。

 スーダン暫定政府のトップであるアブドルファタハ・ブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)統治評議会議長とアブダラ・ハムドク(Abdalla Hamdok)首相は、欧州連合(EU)と国連(UN)とともに、今回和平合意に調印しなかった有力な2反政府勢力に和平プロセスへの参加を呼びかけた。

 これらの反政府勢力は、ダルフールを拠点とする「スーダン解放運動(SLM)」の分派と、南コルドファン州を拠点とする「スーダン人民解放運動北部勢力(SPLM-N)」の分派。軍によると前者は9月28日に攻撃を行ったという。後者は別の停戦合意に調印した。

 スーダンでは強権的な体制を敷いたオマル・ハッサン・アハメド・バシル(Omar Hassan Ahmed al-Bashir)前大統領が一連の民主化デモを受けて2019年に政権の座を追われて以来、内戦終結が暫定政府の最優先事項に位置づけられている。

 和平交渉は、その指導者らが反政府勢力としてスーダン政府と数十年戦い、2011年に独立を果たした南スーダンが仲介した。南スーダンも自国内の和平実現に向けて苦戦を強いられている。

 スーダンは、米政府からテロ支援国家に指定されていることに加え、長年続いた米政府による経済制裁や、産油地帯がある南スーダンの独立によって国内原油埋蔵量の4分の3を失ったことが響き、経済が低迷。約83万人が被災した最近の水害で、状況はさらに悪化している。(c)AFP/Waakhe Simon Wudu