【10月4日 AFP】ドイツ・ハンブルク(Hamburg)の裁判所は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」戦闘員でドイツ人元ラップ歌手の故デニス・カスパート(Denis Cuspert)容疑者の妻に対し、シリアで少数民族ヤジディー(Yazidi)の少女を奴隷にした罪などで禁錮3年半の刑を言い渡した。

 ISに参加した罪で有罪判決を受けたのはドイツ系チュニジア人のオマイマ・A(Omaima A、仮名)被告(36)。自身の子3人を戦場へ連れて行った罪やカラシニコフ(Kalashnikov)のライフルを使用した罪、さらには13歳のヤジディー少女の奴隷化に加担した罪でも有罪となった。

 オマイマ被告は2015年初頭、3人の子と共にシリアのIS支配地域へと渡り夫と合流。

 夫の死後、ISに参加していたカスパート容疑者と結婚した。

 カスパート容疑者はベルリンで「デソ・ドッグ(Deso Dogg)」という名のラップ歌手として活動していたが、2014年にISに参加。報道によると2018年、空爆によりシリアで死亡した。

 公共放送の北ドイツ放送(NDR)によると被告は裁判で、最初の夫と合流したことについて「5年前に深刻な過ちを犯した」と証言した。

 国連(UN)は現在、2014年にヤジディー教徒が受けたISによる残虐行為について、ジェノサイド(大量虐殺)に当たるかどうかの調査を行っている。(c)AFP