【10月4日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d’Italia 2020)は3日、第1ステージの個人タイムトライアル(モンレアーレからパレルモ、15.1キロメートル)が行われ、UCIロード世界選手権大会(2020 UCI Road World Championships)の同種目王者であるイネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のフィリッポ・ガンナ(Filippo Ganna、イタリア)がステージを制し、総合首位のマリアローザ(ピンクジャージー)を手にした。

 ガンナはもともとトラックレースのスペシャリストで、三大ツール(グランツール)は母国開催の今大会が初出場だったが、1週間前に世界選手権を制したことで他の選手から狙われる立場となった。

 ガンナはやや下り気味のやっかいな市街地コースを猛スピードで駆け抜けて15分24秒をマークし、平均時速は58.831キロに達した。これは約20年前にリック・フェルブリュッヘ(Rik Verbrugghe、ベルギー)氏がペスカーラ(Pescara)で記録したジロの最高速に迫るスピードだった。

 世界選手権のタイムトライアル王者の証しである虹色のジャージーをまとうガンナは、パレルモ市長から渡されたピンクジャージーにも袖を通し、満面の笑みで「どちらのジャージーも素晴らしいけど、もしかしたらきょうの1枚の方がうれしいかもしれない」とコメントした。

 総合勢ではガンナのチームメートで、2018年のツール・ド・フランス(2018 Tour de France)総合王者であるゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)が早めに登場し、風が少ない状況で走れたこともあって4位に入り、ライバルの大半に1分以上の差をつけた。

 トーマスはミッチェルトン・スコット(Mitchelton-Scottramp)のサイモン・イェーツ(Simon Yates)に26秒、ジロで2回の総合優勝を飾っているトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)に1分以上、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のステーフェン・クラウスヴァイク(Steven Kruijswijk、オランダ)とアスタナ(Astana Pro Team)のヤコブ・フグルサング(Jakob Fuglsang、デンマーク)に1分20秒以上の差をつけて第2ステージを迎える。

 しかし、トーマスは開幕ステージでスピードを出しすぎた可能性もあり、3週間の耐久レースであるジロの後半戦でそのダメージが響いてくるおそれもある。(c)AFP