【10月4日 AFP】仏伊国境地帯は激しい暴風雨や集中豪雨、鉄砲水に見舞われ、3日までにイタリアで2人が死亡し、フランスで8人が行方不明になっている。この水害で道路や民家が押し流されたほか、土砂災害や村全体が孤立状態になるなどの被害が出た。救助隊員ら数百人が出動し、逃げ遅れた生存者の捜索を急いでいる。

 暴風雨「アレックス(Alex)」は1日にフランス西岸を直撃して各地に強風と豪雨をもたらした後、イタリアに移動。伊北部各地は3日終日、猛烈な暴風雨に見舞われた。アレックスによる仏伊国境地帯の雨量は最大500ミリに達した。

 イタリア・アオスタ渓谷(Aosta Valley)ではボランティアの消防隊員1人が死亡。また東に約100キロ離れたセージア(Sesia)川でも、車ごと川に流された男性1人が死亡した。

 3日午後、イタリア市民保護局のマーラ・アナスタージ(Mara Anastasi)報道官は、ドイツ人2人とその孫らを含む21人を発見し、ヘリコプターで救助したと明らかにした。

 同国では道路が封鎖されたことを受け、消防隊員ら数十人がある村に列車で向かおうと試みた。

 フランスの救急当局者は、土砂災害で足止めされ古い駅舎に身を寄せていた約40人を安全な場所に空輸したと発表。同国では、軍や数百人の救助隊員が行方不明者の捜索に当たっている。(c)AFP/Vincent-Xavier Morvan with Gael Branchereau in Rome