【10月3日 AFP】ロシアの産業都市ニジニーノブゴロド(Nizhny Novgorod)にある独立ニュースサイト「Koza.Press」の編集長が2日、反体制派団体を対象とした警察の強制捜査を受けた後、自らの体に火を放ち死亡した。同サイトが明らかにした。

 Koza.Pressは、イリナ・スラービナ(Irina Slavina)編集長が「警察本部前で自分自身に火を付けた」と発表。スラービナさんが「負傷によって死亡した」とし、夫もスラービナさんの死亡を確認したと明らかにした。この発表直後、同サイトにはアクセスできなくなった。

 スラービナさんは死亡の数時間前、フェイスブック(Facebook)で「私の死の責任をロシア連邦に負わせてください」とつづっていた。

 スラービナさんの友人や支持者らが2日に語ったところによると、Koza.Pressは調査報道を実施し、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の反対派を取材していた。

 スラービナさんは1日、ソーシャルメディア上で、警察や連邦警護庁が早朝に自宅に突入してしたと投稿。警官らは、反政府派のミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)氏が資金援助する政治団体「開かれたロシア(Open Russia)」との関連を示す証拠を探していたという。同団体は、市内での抗議デモに資金を出していた疑いで当局から有害団体と指定されている。

 ニジニーノブゴロドの捜査当局もスラービナさんが死亡したことを認め、遺体には「やけどの痕」があったと発表した。また、スラービナさんは捜査で目撃者として扱われているにすぎず、スラービナさんの死を捜索と結びつけるのには根拠がないと主張した。(c)AFP