■飛行機、ヘリ、自動車

 ホワイトハウス以上に密なのが、大統領専用機の「エアフォースワン(Air Force One)」や専用ヘリコプター「マリーンワン(Marine One)」、そして専用車「ザ・ビースト(The Beast)」だ。いずれも、同乗者は腕を伸ばせば大統領に届く距離にまで近づく。

 トランプ氏は先月29日、民主党の大統領候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領との初の討論会に出席するため、オハイオ州クリーブランド(Cleveland)に空路で移動。この時ヒックス氏も同じ機内にいた。翌日、ミネソタ州に再び空路で移動した際も、両者は同じ機内にいた。この際ヒックス氏は、機内が非常に狭いマリーンワンにも短時間ながらトランプ氏と同乗している。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、ヒックス氏が体調を崩したのはミネソタ州から戻るエアフォースワン内で、同機上で自主隔離に入った。

■討論会

 トランプ氏はこれまで頻繁にマスク着用の重要性を軽視したり、着用する人を冷やかしたりして、物議を醸してきた。その姿勢は、先月29日の大統領候補討論会でも浮き彫りとなった。

 トランプ氏の家族と側近らはマスクを着けて会場入りしたが、到着後はマスクを外した。トランプ氏側の参加者らは、医師が配ろうとしたマスクの受け取りを拒否したとも伝えられている。

 また、トランプ氏が数日前に行った討論会準備に参加したクリス・クリスティー(Chris Christie)前ニュージャージー州知事は、「準備中は部屋の誰もマスクを着けていなかった」と説明。部屋には5~6人がいたと述べている。(c)AFP/Sebastian Smith