【10月2日 AFP】ホンジュラスなどから米国を目指すキャラバン(移民集団)約3000人が1日、グアテマラ入りした。来月に控えた米大統領選では、移民が重要な問題となっている。

 グアテマラのエントレリオス(Entre Rios)では、リュックサックを背負い、プラスチック製の袋を手にした移民らが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)絡みのリスクや規制をものともせず、2列に並んだグアテマラ兵を押しのけて国境を越え、北に向かって歩き続けた。

 グアテマラ移民局(Guatemalan Migration Institute)によると、入国する外国人に義務付けている新型コロナの検査を受けずに約3000人が国境を越えたという。多くの人は感染拡大防止のためのマスクを着用していなかった。

 ホンジュラス・ヨロ(Yoro)県エルネグリト(El Negrito)からやってきた若者グループの20歳の男性は、「私たちはパンデミックのことなど考えていない。今はそれどころじゃない」とAFPに語った。男性はソーシャルメディアのメッセージを見て米国を目指すキャラバンに加わったという。

 兵士らが移民に水を配る中、移民の一部からはグアテマラ軍が通過を認めてくれたことへの拍手も起きた。

 移民ら数十人は、ヒッチハイクをして大型の平床トラックの後部に乗り込み、メキシコに向かった。

 ホンジュラスの第2の都市サンペドロスラ(San Pedro Sula)では9月30日夜、新たなキャラバンが出発。ホンジュラス赤十字(Honduran Red Cross)によると、第一陣として1200人が、その数時間後に約2000人がグアテマラ国境に向かって歩き出した。

 中米諸国に大きな打撃を与えている新型コロナの感染拡大を防ぐため、グアテマラは半年間にわたって国境を閉鎖していたが、先週、開放した。

 米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は1日、来年に受け入れる難民の上限を過去最低となる1万5000人にすると発表した。一方、対立候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領は、迫害された人々を受け入れることは米国の価値観に沿うとして、上限を12万5000人に引き上げるとしている。(c)AFP/Edgar CALDERON