【10月11日 AFP】4年前、米大統領選の行方を占う指標となる激戦州オハイオを制し、当選を果たしたドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領。来月3日の大統領選で再選するためには、野党・民主党に失望するオハイオ州民らの支持を再び得る必要がある。

 有権者の構成が国全体の「縮図」となっているオハイオ州は、4年ごとの選挙で国民感情を測る上で信頼性の高い基準となっている。このため候補者らは長年にわたり、同州の支持獲得を争ってきた。

 トランプ氏はここ2か月でオハイオ州を2度にわたり訪問。一方、民主党候補のジョー・バイデン(Joe Biden)氏にとってオハイオは優先度が低いかもしれないが、それでも魅力的な票田であることには変わりない。

 バイデン氏はオハイオ州で選挙CMを打っており、先月29日には同州クリーブランド(Cleveland)でトランプ氏との第1回討論会を行った。

 トランプ氏は2016年、製造業の雇用を取り戻すという公約を掲げ、オハイオを含む中西部・北東部の「ラストベルト(Rust Belt、さびた地帯)」の数州を民主党から奪取。だがこの公約はおおむね実現しておらず、トランプ氏は現在オハイオ州でバイデン氏との接戦を強いられている。

 長年にわたり民主党を支持した末、前回の大統領選ではトランプ氏に投票した元消防隊員のジョー・ロスキー(Joe Rosky)さんは、「今の時点では、誰に投票するか分からない」と語る。

 同州ヤングスタウン(Youngstown)近郊のダイナーでコーヒーを飲みながらAFPの取材に応じたロスキーさんは、トランプ氏が同州の経済低迷地域を再び活性化させたと主張していることについて、「彼は裏付けのないことを主張している」と一蹴した。

 ブルーカラー労働者や民主党支持者が昔から多いヤングスタウンとその周辺地域では、1970年代に大規模な製鉄所の閉鎖とともに雇用喪失が始まり、現在も続いている。2016年にはヤングスタウン地域の民主党支持者から大量の票がトランプ氏に流出。オハイオ州では最終的に、トランプ氏が8ポイントの差で勝利した。