【10月1日 AFP】30日に行われた全仏オープンテニス(French Open 2020)女子シングルス2回戦で、勝利した大会第5シードのキキ・ベルテンス(Kiki Bertens、オランダ)が車椅子に乗ってコートから退場したことについて、敗れたサラ・エラーニ(Sara Errani、イタリア)がけがのふりをしていると非難する出来事があった。

 両者の一戦はベルテンスが7-6(7-5)、3-6、9-7で3時間11分の末に勝利したが、ベルテンスは試合中に「左脚、右足、両手」がけいれんに襲われると、試合後にもけいれんで動けなくなり、車椅子を必要とした。

 しかし、マッチポイント1本を逃してベルテンスと6度目の対戦にして初黒星を喫したエラーニは、試合中にベルテンスのけがをからかったり、試合後には「ラケットタッチ」を拒否した末に「クソ野郎」と暴言を叫んだりし、最後は激しい勢いでコートを後にした。

 全仏ではマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)に敗れ、2012年大会で準優勝になった経験があるエラーニは、「試合開始から1時間で彼女はけがをしたが、かつてなく走り回っていた」「車椅子に乗ってコートを出て、いまはロッカールームにいるか、レストランで食事でもしているのでしょう。素晴らしいじゃない。大げさすぎる」「それですごく腹が立った。彼女をたたえるが、あんなことをしなくても勝てたはず」と語った。

 61本のウイナーを放った一方で63本のアンフォーストエラーを犯しながらも、24回のブレークが飛び出す荒れたマラソンマッチを制したベルテンス本人は、けがは本物だったと主張し、「最後は全身がけいれんした」とコメント。さらにエラーニが勝てなかったのは、試合を締めくくるチャンスが何度もあったのにもかかわらず逃した相手本人の問題だと反論した。

「彼女には思ったことを言う権利がある。もし私がそうだった(けがのふりをしていた)というのなら、演技の学校に行った方がいいかもしれない」「けいれんは出たり消えたりしていた。指が動かなかったからガッツポーズもできなかった」

 また、試合後には理学療法士のいる部屋で45分間過ごし、けいれんは治療後30分してようやく止まったと明かし、「彼女もあの場にいればよかったのに。彼女の言ったことを耳にして良い気分はしないが、まじめに受け取りたくはない。彼女は自分自身に腹が立っていただけだと思う」と話した。

 2016年大会でベスト4に入り、ここ4年間ではクレーでツアー最多の79勝を挙げているベルテンスは次戦、カテリーナ・シニアコバ(Katerina Siniakova、チェコ)と顔を合わせる。(c)AFP/Dave JAMES